今回はデジタルサイネージの使い方の基本についてご紹介していきます。
よくデジタルサイネージはテレビのようなものと理解されますが、少し異なります。
違いは人がずっと見るか、見ないかにあります。
テレビはたいてい、視聴者が見たいからリモコンのONを押します。
ドラマが見たい、朝のニュースが見たい、暇だから何か見ていたいなど、目的は様々ですが、何かしらのTVコンテンツを求めて視聴者自らが見るという意思決定をしています。
しかし、デジタルサイネージの視聴者は皆、見たいから見ているわけではありません。
画面が既に付いていて、自分の興味がありそうなものが目に映ったときだけ見ます。
見てもらえればまだ良い方です。たいていは目に入るだけでそのまま素通りして行きます。
人がデジタルサイネージを見る時間は1秒未満という調査結果もあるそうです。
そのため、一瞬で見て価値があると判断できるものにする必要があります。
そのような点では、ポスターや看板に似ています。
ポスターや看板も、通り過ぎる人の目に入る一瞬のうちに興味引きつける必要があります。
しかし、デジタルサイネージはポスターや看板とも少し異なる点があります。
それは動きが付けられるという点です。
ポスターや看板は一枚の平面上でしか表現が出来ないですが、デジタルサイネージは静止画と動画のどちらも活用することが出来ます。
形式に囚われず幅広いコンテンツを使用することができますが、一瞬しか目に映らないということには留意しましょう。
細かい複雑なデザインは避け、はっきり見やすい色やテキストを心がけると一目見るだけでも伝わりやすくなります。
また、動画や複数のスライドを使うコンテンツの場合、最初から最後まで見ないと内容がわからないようなストーリー性のあるものも避けましょう。
TVの場合はストーリーのあるCMが多いですが、それは視聴者が家で見ているという前提があるからです。
デジタルサイネージの場合、見るために立ち止まる人はほとんどいないので、ストーリーのあるコンテンツは伝わらず、むしろ効果が薄れてしまいます。
ただ、デジタルサイネージの使い方は多種多様なため、ストーリーあるコンテンツが効果的な場合も一部あります。
たとえば、待合室で使用する場合は視聴者が比較的長く留まるため、TVのようにじっと見てもらえる可能性が高いです。
また、店内の販促POPとして使う場合も、既存のTVCMを流すことで顧客に商品を思い出させる効果があります。
このようにストーリーのあるコンテンツが効果的な場合もありますが、例外的なため、基本は避ける方が良いでしょう。